やまさんの読書ブログ

やまさんが読んでおもしろかった本を紹介

『一晩置いたカレーはなぜおいしいのか』稲垣栄洋

 

「一晩置いたカレーはなぜおいしいのか」を読みました。

 

カレーライスは大好きで、晩ごはんがカレーだとテンションが上がります。

いつも多めに作っておいて、翌日もカレー。

2日目のカレーはさらに美味しく感じます。

なんとなく、具材のエキスが染み込んで美味しくなっているのかと思ってました。

その想像は間違ってませんでした。

具体的にどの食材のその成分が一番美味しさに貢献しているのか。

気になる方はぜひ読んでもらいたい。

 

著者の稲垣栄洋さんは農学博士。

本の中ではカレーライスだけでなく、様々な食材のサイエンスを分かりやすく紹介されています。

 

自分はたまにベトコンラーメンをたまに食べます。

ベストコンディションラーメン。

ニンニクを食べると元気になります。

最近は匂いの少ないニンニクもありますが、自分は強烈な方が好き。

 

古くは古代エジプトのピラミッド労働者にも支給されていたニンニク。

 

じつは強い殺菌作用を持つニンニクの成分は、大なり小なり多くの生物にとって有害なものなのです。そのため、ニンニクを食べると有害な毒を排除しようと人間の体内の免疫力が高まり、防御態勢に入ります。そして、人間のさまざまな生理作用が活性化されるのです。

 

なるほど。

毒と薬は紙一重。

自分の免疫力が高まり生理作用が活性化されているとは。

ベストコンディションラーメンにはちゃんとした理由があるのです。

 

『熟睡者』クリティアン・ベネディクト、ミンナ・トゥーンベリエル

 

「熟睡者」読みました。

睡眠対する大切さは昔から認識しており、睡眠に関する本もいろいろ読んできました。

「熟睡者」は現時点で睡眠本の決定版。

「寝る子は育つ」は普遍の真実。

 

休日である土日は自分的に理想的な生活ができてますが、平日はライスワークをしているので完璧な睡眠を取れてません。

本の中にも書かれてますが、食事を19時までに終わらせることができてません。

19時だと家に帰ってない日も多いくらい。

寝る3時間前には食事を終えて空腹の状態で眠れば、脳と体のメンテナンスが進みます。

 

普段22時ごろに寝てますが、20時ごろまでパソコンに向かってブログ書いてることも多い。

本来なら夕方以降はスマホもパソコンも完全にシャットアウトして静かに過ごすべき。

 

何か重要な考え事がある時に「一晩寝かせる」と言います。

寝ている間にその日あった不要な情報が整理されます。

翌朝、名案が浮かぶことが多いのは睡眠が大きく関係。

 

深い眠りには、もうひとつ大切な仕事がある。それは、脳の「ハードディスク」の修復だ。

新たに形成された神経細胞の接合(シナプス)のうち、余分なつながりだと分類されたものは除去される。それにより、次の覚醒時にまた新しく物事を学び、処理するために必要な容量を十分に確保できるのだ。

 

アインシュタインは毎晩10時間眠り、かつ午後も昼寝をしていたという。

アインシュタインの脳を調査すると、左右の大脳半球をつなぐ神経細胞の太い束(脳梁)が普通の人より太かったそうです。

 

知性、メンタル、肉体面において重要な睡眠。

人生の最優先事項にしてもいいくらい。

『影響力の武器』ロバート・B・チャルディー二

 

「影響力の武器」を読みました。

400ページ以上あり読破するのに時間がかかりました。

 

人に影響を与える6つの原理。

①返報性 ②一貫性 ③社会的証明 ④好意 ⑤権威 ⑥希少性

この6つの原理について詳しく解説されています。

 

どちらかというと営業マン向けに書かれている本。

普段の生活で体験するセールス場面でも、この本に書かれている内容が使われているのを思い出しながら読んでました。

 

自分は普段、XなどのSNSを使用しています。

人は何か贈られるとお返しをしないといけない気持ちになる返報性。

物理的に知人や近所の人からお土産をもらった場合がそう。

Xでも他の人から「いいね」を押してもらうと「いいね返し」をしなきゃいけない気持ちになります。

初期の頃はフォロワーが少なかったので、相手からフォローされると、よほどおかしなアカウントじゃない限りフォローバックしてました。

今ではフォローバック狙いでフォローして、バックされないとすぐにフォローを外すアカウントも多いことに気づきます。

返報性の原理をSNS攻略に生かすなら、積極的にフォロー、いいね、リプライを繰り返せば、一定の割合の人はフォローバックしてくれることでしょう。

 

権威の影響も大きい。

同じくSNSだと、フォロワーの数字、投稿に対するインプレッション、紙の本を出版している、地上波のテレビに出演しているなど分かりやすい実績が掲載されていると一目おきたくなります。

自分のアカウントにないのが権威。

 

一番分かりやすいのが希少性。

数量限定、期間限定であおるセールスよく見かけます。

実験的な商品を少量販売したい時に役に立つ原理。

 

何か自分の商品を売りたい方は読んでみるといい。

『日本の路線図』宮田珠己/井上マサキ/西村まさゆき

 

様々なジャンルのマニアがいる鉄道。

写真を撮る撮り鉄、乗車を楽しむ乗り鉄、駅名標のもじ鉄、時刻表をこよなく愛する方など。

自分はカメラが好きなのでベースは撮り鉄ですが、路線図も好きです。

複雑な路線が整然と整理された路線図を眺めてるとうっとりします。

 

全国に190社以上ある鉄道事業社。

この「日本の路線図」の中には、鉄道、地下鉄、モノレール各社の公式の路線図が149社掲載されています。

日本の各地に自分が知らないローカル線があることに驚きました。

 

実際にどこかへ旅行へ行く際の実用書としても役立つし、旅行へ行かなくても行ったことがない土地の路線図を眺めてると旅行気分を味わえます。

昔行った旅行を思い出すきっかけにもなります。

 

都営地下鉄、東京メトロの路線図は複雑怪奇。

都会では暮らせそうにありません。

『行って眺めて撮る!巨大工場探訪ガイド』小林哲朗

 

小林哲朗さんの「行って眺めて撮る!巨大工場探訪ガイド」を読みました。

工場夜景好きです。

若い頃、車で国道23号を走行中に、宝石のように輝く四日市のコンビナートを見たのがきっかけ。

冬になると、四日市へ工場夜景を撮りに行きます。

なぜ冬かというと、日没時間が早くなるから。

午後6時くらいから撮り始めて、8時頃に撤収。

無理のない時間帯に撮影できるからです。

 

巨大工場探訪には、四日市以外にも全国バランス良く工場夜景スポットが紹介されてます。

かっこいい工場夜景の写真と併せて、QRコードが表示されてます。

スマホでQRコードを読み取ると、グーグルマップで撮影場所が表示されました。

誰でも工場夜景スポットへ合法的に行けるように工夫されてました。

交通手段の案内も書かれてました。

一部の写真愛好家だけでなく、なんとなく興味がある方にも現地で楽しめるきっかけになるのでは。

 

写真を眺めてたら、工場夜景を撮りたくてうずうずしてきました。

まずは愛知県東海市の「日本製鉄名古屋製鉄所」へ行きたい。

調べたら6年前に行ってるのですが、当時は手持ちのデジカメで撮ってました。

よくこれでネットに投稿したなあというレベルの酷い写真。

今はミラーレス一眼、三脚、望遠レンズもあります。

改めて撮りに行きたい。

 

全国各地に工場夜景スポットがあります。

まだ東海エリア以外には行ったことがありません。

たまには遠征もしたい。

秋の夜長に工場夜景はいかが。

『食欲人』デイヴィッド・ローベンハイマー、スティーブン・J・シンプソン

 

「食欲人」を読みました。

これまでも食事に感する本を読んできましたが、この本は読み応えがありました。

著者のデイビッド・ローベンハイマーとスティーブン・J・シンプソンは昆虫学者。

長年に渡る調査によると、昆虫はタンパク質が一定の割合になるよう自然に調整して食べるという。

それは動物でも一緒。

タンパク質に対する欲が満たされるまで食べ続け、満たされるとそれ以上は食べない。

 

どんな動物も、状況が許す限り、生存と繁栄にとって最適な比率でタンパク質を炭水化物を摂っているのだ。

 

人間も例外ではありません。

 

加工食品のメーカーがなぜタンパク質をケチり、炭水化物と脂肪を大盤振る舞いしようとするのは明らかだ。製造原価を抑えられるからだ。

そのうえ今見たように、消費者の食欲を操作して過食させることまでできるという、おまけまでついてくる。

 

加工食品は安く消費者を満足させるために、砂糖、塩、脂肪、トランス脂肪酸に頼りがち。

例えばポテトチップスは美味しくて、一度食べ出すと手が止まりません。

炭水化物と脂肪だらけでタンパク質は摂取できません。

どれだけ食べても満足感が得られず過食になってしまい、健康へも悪影響が出ます。

 

逆にいえば、意識してタンパク質を摂取するようにすれば、過剰な食欲は抑えられるのでしょうか。

本書ではタンパク質の摂取割合は15%と表記されてました。

タンパク質の過剰摂取もいけません。

肉だけ食べて極端に炭水化物を減らすのも問題あり。

結局は適正な栄養バランスの食事をするのが大切。

健康的に長生きするためのヒントが得られました。

『いつまでも動ける』SAM(TRF)

 

いつまでも動ける。 年をとることを科学するジェロントロジー

いつまでも動ける。 年をとることを科学するジェロントロジー

  • 作者:SAM
  • クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
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TRF・SAMさんの「いつまでも動ける」を読みました。

自分は小室サウンドを聴いて育ちました。

TRFもバリバリ聴いてました。

それまでのダンサーは、メインのボーカルの後でひっそり踊ってるイメージがあったのですが、TRFのダンスがカッコ良く、ダンサーの存在感が増しました。

 

そんなSAMさんも、この記事を書いている時点で61歳。

バリバリ現役のダンサーです。

 

初めて加齢による変化を感じたのは47歳を超えたあたりでした。

瞬発力やキレがガクンと落ちたと感じたのです。

このままじゃまずい。もっとずっと踊り続けたい。

 

自分はダンスをやるわけではないです。

登山が趣味なのでずっと登り続けたい。

瞬発力とキレはとうの昔に落ちてます。

本を読んでると、日々運動しなきゃと感じました。

 

SAMさんのように毎日トレーニングを続けるのは難しい。

まずは姿勢を整えることを日々の生活で意識していきたい。

 

姿勢を整えることは一番手軽に始められるトレーニングです。

 

①後をから肩甲骨を押されるようなイメージで胸を張る

②下腹に力を入れる

③腰骨(腰椎)を上に引き伸ばす

 

年を重ねることに対してポジティブなイメージを待てました。

ジェントロジーにも興味が湧きました。

 

SAMさんがダンスを始めた頃の話も書かれてました。

代々続く医者家系の中でダンサーになるのすごく勇気がいったと想像されます。

ファンの方は読んでみては。

『2035 10年後のニッポン』ホリエモンの未来予測大全 堀江貴文

 

堀江貴文さんの「2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全」を読みました。

AI、テクノロジーが自分たちの生活を一変させる予感がしました。

自分が知らない技術も多く紹介されていて、読んでて純粋にワクワクしました。

 

日本はどんどん若者の数が減っていきます。

それ自体はネガティブ要因。

テクノロジーを駆使することにワクワクする未来になるかも。

 

イーロンマスク、ジェフぺゾス、そして堀江さんもこぞって宇宙事業に乗り出してます。

本を読むとなぜ宇宙に行きたがるのか分かります。

頭の中で描いている世界が違います。

 

現在の自動車メーカーを取り巻く環境は、ひと昔前の携帯電話メーカーのそれと重なって見える。「内燃機関車(ガソリン車)とEV(電気自動車)」の関係は、「ガラケーとスマートフォン」の関係と非常に似ているのだ。

 

ガソリン高過ぎて悲鳴を上げてます。

直近で給油した時はリッター168円でした。

電気自動車に惹かれています。

ガソリン車に比べると電気自動車は高過ぎる。

充電設備の設置費用も高額らしいし。

 

日本が手が出しやすい値段で電気自動車を出さないのは、ガソリン車を守るためじゃないかと勘繰ってしまいます。

高度な技術を要するエンジン車。

自分はホンダ車に乗っています。

ホンダのエンジンのキビキビした感じが好きです。

もしこれが電気になると、その良さはなくなってしまいます。

 

そのうち海外から安くて品質の良い電気自動車が入ってきて、日本の自動車メーカーが淘汰される可能性も十分あります。

メーカーには頑張ってもらいたい。

『パワーナップ仮眠法』坪田聡

 

パワーナップ仮眠法

パワーナップ仮眠法

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医師で睡眠コーチである坪田聡さんの「パワーナップ仮眠法」を読みました。

パワーナップとはアメリカのコーネル大学の社会心理学者ジェームス・マース氏が提唱した昼の短時間仮眠。

 

1日の周期が約24〜25時間の概日性リズム(サーカディアリズム)は知られていますが、約半日の周期を持っている体内時計、サーカセミディアンリズムはあまり知られていません。

お昼ごはんを食べた後に眠たくなるのは人間にとって自然。

人間本来のリズムに逆らっても、パフォーマンスが低下するだけ。

 

本の中では、12時から15時の間に15分程度の仮眠をとることを推奨。

自分は普段は車で移動していて、昼ごはんは弁当。

食べ終わってラジオを聞いてるうちに自然と眠くなりそのままお昼寝。

がっつり眠るわけではなく、程よい時間になったら覚醒します。

 

お昼寝なしだと、頭がぼーっとしてまともな仕事になりません。

たまに夜あまり眠れなかったり、朝から調子悪いこともあります。

そんな時も昼寝することで復活することもしばしば。

 

社会人も学生さんもパワーナップを取り入れるべき。

『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成

 

浅倉秋成さんの「六人の嘘つきな大学生」を読みました。

初任給50万円、新進気鋭のIT企業「スピラリンクス」

最終選考に残った6人の大学生。

6人の中から内定者を1人選ぶという最終課題。

6通の封筒が発見され「○○は人殺し」という告発文が入っていたー

 

自分の学生時代の就職活動を思い出しながら読んでました。

この小説の中ではグループディスカッションが出てきます。

自分はその形式の経験はありませんが、乏しい実体験を盛りに盛って虚勢を張ってたことでしょう。

 

学生はいい会社に入るために嘘八百を並べる。一方の人事だって会社の悪い面は説明せずに嘘に嘘を重ねて学生をほいほい引き寄せる。面接をやるにはやるけど人を見極めることなんてできないから、おかしな学生が平然と内定を獲得していく。会社に潜入することに成功した学生は入社してから企業が平然と嘘をついていたことを知って愕然とし、一方で人事も思ったような学生じゃなかったことに愕然とする。今日も明日もこれからも、永遠にこの輪廻は続いていく。

 

その人の内面なんてそんな短い時間では分かりません。

分からないから、誰が見ても客観的な価値が分かる“学歴”が重視されるのかなあ。

学歴である程度ふるいにかけて、あとは採用担当者の好み。

運の要素が強いので、たとえある会社の面接で落とされても、気にせずに次の会社の面接に臨むしかない。

 

誰が内定者にふさわしいのか。

小説の中に出てくる6人の大学生の心理戦。

就職活動について色々考えさせられました。

話の構成もお見事。

 

2024年に全国ロードショーで映画化が決定したようです。

上映が楽しみ。