黒栁桂子さんの「めざせ!ムショラン三ツ星」を読みました。
黒栁さんは岡崎栄養刑務所勤務の管理栄養士。
メニューを考案するだけではなく、受刑者と一緒に日々の給食を作っているという。
料理をやったことがない男も多い。
調理のイロハを指導しながら。
調理なので包丁など刃物も取り扱います。
盗み食いのリスクもあります。
給食を作る担当は普段の素行がちゃんとした優秀な受刑者が選抜されるという。
以前に岐阜刑務所の矯正展に行ったことがあります。
その中で刑務所のメニューを食べるコーナーがあって、その時はカレーライスを食べました。
もちろん娑婆のようなスパイスのパンチはなく、子供が食べるような甘口でしたが想像してたよりも美味しかったです。
刑務所で提供されるご飯は麦飯。
規定により「米7:麦3」で決まっているそうです。
昔は麦飯っていうと貧しいネガティブなイメージがありましたが、現代ならヘルシー。
我々娑婆の人間にとっても食事の時間は楽しみ。
食事があるから嫌な仕事も我慢して頑張れる。
受刑者にとって、いかに給食の時間がいかに大切かは容易に想像されます。
厳しい制約の中で栄養バランスを考えいかに美味しい給食を作るか。
著者の奮闘ぶりを興味深く読ませてもらいました。
食材のカットも均等になるようにとても気を遣うそうです。
身長が180センチ以上あると主食が加算される仕組みがあるという。
「A180」と区分されて。
179センチの受刑者はさぞ歯がゆい気持ちでは。
できれば一生お世話になりたくない刑務所。
本を通してどんな食事をしているのか知ることができます。
本の中にいつくかレシピも紹介されてました。
自分で実際に作ることもできます。
「獄旨ドーナツ」美味しそうでした。