太田省一さんの『「笑っていいとも!」とその時代』を読みました。
“お昼休みはウキウキウォッチ”
「笑っていいとも!」が放送されていたのは、1982年から2014年まで。
主な放送期間は学生だったので長期休みの期間や週末のダイジェスト版を見てました。
今振り返ると連日多彩な出演者で素人も参加して面白い番組だったなあと。
復活して欲しいテレビ番組のアンケートでも上位に入るという。
番組の司会はタモリさん。
自分はタモリさんの“密室芸”を知りません。
当時はお昼の番組の司会者へ思いきった抜擢だったという。
タモリさんはさんまさんと違って自分からガツガツ笑いを取りにいくタイプではありません。
どんな出演者との組み合わせでも上手にその場を仕切り盛り上げていく。
タモリは「観察する人」
そもそも笑いにおいて知的であるとはどういうことだろうか?知識や教養がある、言い回しが洗練されている、など答えかたはさまざまだろうが、タモリに関して言えば、それは人並み外れて鋭い観察眼ということかもしれない。彼一流のパロディであれ物真似であれ、その土台にあるのは、あらゆるひとや物事を徹底して観察する力、そこから生まれる独自の発想だろうと思えるからだ。
3月にレギュラー放送が終了したNHKの「ブラタモリ」
岐阜城へ来た回では、チャートという山麓の岩の模様に興奮し、織田信長のすごさを感じ取ってました。
一般の人は何も気にしないチャートに目をつけるタモリさんさすがだと思いました。
本の中ではタモリさんは“仕切らない仕切り”と評されています。
その日を出演者の動きをよく観察されていて、あえて自分からは動かない、時には出演者のボケに乗っかるなど臨機応変に対応されていたのです。
自分が笑っていいとも!を見ていた頃はフジテレビの全盛期でした。
「おもしろくなければテレビじゃない」がキャッチフレーズ。
当時はパソコンもスマホも持ってなかったので、自制しなければずっとテレビを見てました。
今は気になる番組は後日配信で見る程度。
テレビのコンテンツへの興味が離れてしまいました。
家からテレビがなくなっても普通に暮らせそう。
YouTubeと違って、テレビのコンテンツには多くの出演者とスタッフが関わっています。
コンテンツ自体のクオリティは個人が独力で作るものよりもずっと高い。
昔のようにバラエティ番組の視聴率が20%を超えることはもうないでしょう。
それでもテレビにしか作れない番組はあるはず。
そのヒントが「笑っていいとも!」にある。
テレビはオワコンなのか?
そんなことはありません。
ラジオは現在も生き残ってます。
笑っていいとも!を見ていた方、タモリさんのファンの方、テレビの今後を考えたい方に読んでもらいたい。