山際淳司さんの「江夏の21球」を読みました。
野村克也さんが本の中で絶賛していて気になってました。
江夏豊さんの名前と顔は知ってますが、現役時代は知りません。
タイトルの試合は、1980年(昭和55年)の日本シリーズ最終戦「近鉄バファローズVS広島東洋カープ」の9回裏の21球を描いた短編。
確かにすごかった。
選手の心理状況の描写がまるで本人が書いているかのよう。
間の取り方や配球の妙が見事に描かれてました。
江夏投手が当時置かれていた状況もよく分かりました。
野球好きの方はぜひ一度読んでもらいたい。
本書は野球の短編12本を収録。
バッティングピッチャー、高校野球の監督など普段陽の当たらない方を題材にした話が興味深かった。
ドラゴンズファンとしては「負け犬」が好き。
1985年(昭和60年)
懐かしいケン・モッカさんが出てきました。
当時、中日ドラゴンズのユニフォームを着ていたケン・モッカ選手は、名古屋球場でアメリカのトップスポーツ総合誌「スポーツイラストレイテッド」のライターから質問を受けます。
「もしきみが日本にくることなく、あのまま合衆国にいたらどうなっていただろうか」と。
その質問に対するモッカ選手の回答が秀逸でした。
日本でプレーするお助け外国人選手は、バリバリのメジャーリーガーではありません。
仮に来たとしても年俸が高額になります。
AAAやAAでくすぶっている選手が自分に折り合いをつけて来日するパターンがほとんど。
プライドが高くトラブルを起こしすぐに帰国してしまう選手もいます。
その中でも郷に入りては郷に従えと日本流に溶け込み愛される選手も。
本の著者・山際淳司さんは1995年に47歳の若さで亡くなってます。
現在は大谷翔平選手を始め、日本人がメジャーリーグで活躍する時代。
もし山際さんが生きていたらどんな野球作品を書かれるのだろうと想像しました。