やまさんの読書ブログ

やまさんが読んでおもしろかった本を紹介

『百田尚樹の新・相対性理論 人生を変える時間論』百田尚樹

 

百田尚樹さんの「百田尚樹の新・相対性理論 人生を変える時間論」を読みました。

自分は現在40代。

人生の折り返し地点を過ぎているかも。

一番貴重な財産は「時間」だと感じています。

生活のために自分の時間を売り渡している日々がもったいない。

 

10代より20代、20代より30代、30代より40代の方があっという間に時間が過ぎ去っていきます。

なぜ年齢によって時間の流れの速さが変わるのか。

この本の中でも考察がありました。

 

中年以降になると、未知の経験や心に強く残るイベントもめっきり少なくなり、それにつれて感動も減ります。また喜怒哀楽も若い頃のように激しいものではなく、それは一層顕著になります。こうした場合、恐ろしいことに、時間の把握さえあやふやになることがあります。

 

自身の生活を振り返ってみると、この10年くらいの平日は、毎日同じような時間に起き、同じような時間に会社へ行き、同じような仕事をし、同じような時間に帰宅する。

味気ない毎日です。

 

今年もあっという間に1月が終わり2月も半ば。

時間を濃密なものにしようと思ったら、新しい仕事を始める、全然知らない土地に引っ越す、新しい恋をするといった思い切ったことをした方が良い。

そうは簡単に実行できないけど。

『HEALTH RULES 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣』津川友介

 

医師でありカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)准教授の津川友介さんの「HEALTH RULES 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣」を読みました。

前著「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」も分かりやすかったです。

 

ネットやテレビで多くの健康情報が飛び交ってます。

健康オタクの自分としては、エビデンスに基づく確かな情報が知りたい。

この本では多くの研究によって結果が出て論文が発表され、エビデンスに基づく健康習慣が紹介されてます。

 

その中で自分も 日常的に取り組んでいるウォーキングについて引用します。

 

2020年3月に発表された最新の研究によると、7500歩多く歩くことでさらに健康上のメリットがあることが分かった。

1万2000歩以上は歩いても健康上のメリットは少なそうである。つまり、死亡率という観点においては「1日1万歩」神話は必ずしも正しくなく、もっと少ない歩数でも、健康上のメリットは大きいのである。もし無理がないようであれば、1万2000歩を目指してもいいだろう。

 

本には、1日の歩数と死亡率の関係を示したグラフが掲載されているのですが、2000歩から8000歩までは歩数が増えるにつれて劇的に死亡者数が低下。

1万から1万2000歩はほとんど数字の変化がありません。

むやみにたくさん歩いてもコスパが悪い。

 

自分の場合、1万歩歩くのに1時間20分程度要します。

毎日これだけの時間確保するのは難しい。

1万歩にこだわらず、少ない歩数でもコンスタントに歩き続ければ健康には良さそう。

『非常識に生きる』堀江貴文

 

非常識に生きる (ShoPro Books)

非常識に生きる (ShoPro Books)

  • 作者:堀江貴文
  • 小学館集英社プロダクション
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堀江貴文さんの「非常識に生きる」を読みました。

2021年3月に出版された本です。

YouTubeの「ホリエモンチャンネル」もたまに視聴してます。

本質をついた意見、勉強になります。

 

コロナパニックでは、リテラリーの分断が加速したように感じる。僕はSNSなどで「コロナは風邪と同じ」と公言したが、その言葉だけ切り取り、激しく叩かれた。叩いてくる側の理解力のなさは、本当に嫌になる。

コロナは恐れるに足らず、なんて言っていない。正しい科学的知識を持って、正しく恐れることが大事だと、言っているのだ。通常の感染対策で、充分に予防できる。経済活動を死なせてまで、対策が求められるウイルスではないのだ。

 

堀江さんのコロナに関する言及から引用しました。

1年前に同じ文章を読んでいたら、「コロナは風邪と同じ」というフレーズにそれこそ非常識だ!と反感を持ったかもしれません。

デルタ株からオミクロン株に置き換わった頃から自分も考えが変わりました。

テレビ局のアナウンサーが「風邪と似た症状であるオミクロン株」と言ってるのを見ると笑えてきます。

 

自分はもちろん感染防止対策は徹底してます。

マスク、手洗い、ディスタンスは常に意識してます。

無症状だとしても陽性になると大変なので。

 

ここ2年のコロナ渦で感じたのは、テレビ局の報道の偏り。

視聴率を稼ぐために国民の不安を煽る。

そのイメージに染まってしまう国民。

特定の専門家が話していたことを絶対だと信じてしまう。

 

ネットだけでなく自分で本を読んだり、違う意見を比較して自分の頭で考える人が少ない。

空気に染まりやすい国民気質は何も変わってない。

『小説8050』林真理子

 

林真理子さんの「小説8050」を読みました。

中学時代にイジメが原因で引きこもり7年経った息子。

その息子を社会復帰させようとする歯科医の父。

引きこもった子供は親が亡くなった後どうなるのか。

近年「8050問題」が話題になりました。

 

ネットで検索してみると、2021年に起きたイジメは51万件、不登校は19万件。

自分の想像を超える数の多さ。

数字に反映されないイジメはおそらくもっとあります。

グラフを見ると、2015年頃から右肩上がりで増えてます。

社会の闇のひとつ。

 

小説の中のイジメも卑劣。

主犯格の生徒は医者の息子で頭も良くて、イジメのことは単なる悪ふざけとしか思ってません。

のうのうと有名大学に進学し社会に出ようとしている。

 

自分の学生時代もイジメはありました。

主犯格はずる賢くて、なかなか発覚しませんでした。

当時は1クラスの生徒が40人くらいいたし、先生がイジメに気づくのは困難だったと思います。

当時の自分はイジメに対してどうしたか。

傍観者でいました。

情けないです。

 

学生時代はイジメられることはありませんでしたが、傍観者でいたバチが当ったのか、社会に出てからイジメられました。

職場も転々としたし、半分引きこもりのような時期もありました。

嫌な職場は辞めればいいのですが、学校は小学校は6年、中学校は3年間も同じコミュニティに閉じ込められます。

私立の学校だと問題児を退校できますが、公立だとできません。

悪魔のようなコミュニティを抜け出せないことが根本的な問題。

 

無理して学校に行って心がズタズタに傷つくくらいなら行かない方が良い。

今はネットで大抵のことが学べるし、ネットを通じた仕事も豊富です。

通信制の学校で高卒資格を取り、遠くの大学へ進学して人生をやり直すことも可能です。

 

「小説8050」に登場する父は、息子を無理やり社会復帰させようとして空回りしてました。

全体的には重いトーンの物語が続きます。

読後感は心地良かったです。

 

今まさに自分の子供が引きこもっている方は一度読まれてみては。

『天才たちの日課』メイソン・カリー

 

天才たちの日課

天才たちの日課

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中田敦彦さんのYouTube大学で紹介されていた「天才たちの日課」を読みました。

小説家、画家、作曲家、研究者など161人の天才たちの日課を淡々と綴った1冊。

傑作を生み出すトップクリエイターの日常は淡々としてます。

 

本の中で紹介された人の中のおよそ9割は朝型人間。

起きてから数時間をとても大切にして精力的にアウトプット。

そしてお散歩する人も多かったです。

それも2時間くらい。

散歩の中でアイデアが浮かんでくるようです。

 

161人の天才の中から、ベートーヴェンの日課を引用します。

ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770ー1827)

 

ベートーベンは夜明けに起きて、ほとんどすぐに仕事を始めた。朝食はコーヒーで、細心の注意を払って入れたー 一杯につき、豆六十粒。正確を期すために一粒ずつ数えることもよくあった。それから机について二時か三時ごろまで仕事をしたが、ときどき休憩をとって散歩に出かけた。散歩は作曲の役に立ったという(おそらくそのせいで、ベートーヴェンは、あたたかい時期のほうが多くの曲を作ることができた)。

昼にしっかりと食事をとったあと、さっそうと長い散歩に出かける。日中の残りの時間の多くがその散歩に費やされた。いつも鉛筆を一本と五線紙を二、三枚ポケットに入れて持ち歩き、浮かんできた楽想を書きつける。

 

まず朝にコーヒーを飲むこと、朝すぐに制作に取り組むこと、散歩に出かけることは自分と一緒。

散歩は体に良いのはもちろんですが、脳の働きが良くなってふうっとアイデアが浮かんでくることがあります。

ベートーヴェンの代表曲「運命」の出だし「ジャジャジャジャーン♪」は散歩中に降りてきたのかも。

今は冬で寒くてなかなか散歩に行けてないです。

もう数ヶ月したら暖かくなってきてバリバリ散歩に出かけたい。

 

自分のような凡人でも、朝起きたらすぐに勉強、制作、仕事に取り組む、途中に散歩に出かける習慣は真似しておいて損はありません。

メールの返信など細々した雑務は午後に回していきたい。

 

人それぞれ体質やライフスタイルが違うので、161人の日課の中から自分に合いそうな人を選んでいけば何かのプラスになるのでは。

『FACTFULNESS』ハンス・ロスリング

 

日本で100万部のベストセラーになった「FACTFULNESS」

遅ればせながら読みました。

10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣。

 

本の冒頭に13の質問が掲載されてます。

その中の一つ抜粋すると、

 

世界の平均寿命は現在およそ何歳でしょう?

A 50際

B 60歳

C 70歳

 

みなさん分かりますか?

自分はこの質問、不正解でした。

今まで見てきたテレビや新聞などの報道のイメージで答えましたが、それは思い込みでした。

そんな人間が陥りやすい思い込みをデータを基に解いてくれます。

 

人間が持つ10の本能の中で、危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう「恐怖本能」は今まさに気をつけなければ。

 

現在、新型コロナウイルスのオミクロン株が猛烈な勢いで感染拡大。

自分が住んでいる県もまん防の対象に。

3回目のワクチン接種も前倒しで進めようとしています。

 

そもそもオミクロン株の症状はどういったものか?

重症化する割合はどれくらいなのか?

既存のワクチンはオミクロン株に対して有効なのか?

ワクチンの副作用はどれくらいあるのか?

自分にとって3回目のワクチンを接種するメリットはあるのか?

 

テレビと新聞は連日、我々の不安を煽る報道を繰り返しています。

客観的なデータを基に、冷静に判断していきたい。

「FACTFULNESS」は自分の頭で考えるきっかけになる本です。

『冤罪と闘う』藤井浩人

 

冤罪と闘う

冤罪と闘う

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藤井浩人さんの「冤罪と闘う」を読みました。

藤井さんは前美濃加茂市長。

2013年6月に当時全国最年少の28歳で美濃加茂市長選に当選。

2014年6月に事前収賄容疑等により逮捕。

2015年3月に一審無罪、2016年11月に二審有罪、2017年に最高裁で有罪が確定し市長を辞職。

 

美濃加茂市は自分が住んでいる場所から近いので、当時の逮捕のニュースは大変驚きました。

28歳でクリーンなイメージが強かっただけに、まさかの収賄容疑等での逮捕。

テレビと新聞からの表面的な情報しか知らなかったので、藤井さんはなんて悪人だ!と正直思ってました。

 

2021年に岐阜市で開催されたトークイベント「岐路メシ」に登場され、藤井さんの生い立ち、留置場の話、政治家を志したきっかけを聞いているうちに、藤井さんへの印象が変わりました。

 

本に書かれている内容が濃密です。

もし本に書かれていることが本当だとしたら…という気持ちが強くなりました。

警察、検察、裁判所の闇。

某警察の某刑事の暴言は岐阜県民として許せません。

 

本を読んだ印象だと、藤井さんは収賄を受け取ってないと思いました。

ただ、自然循環型雨水浄水プラントを無料で設置したいという業者社長からの提案に乗ったことは安易です。

結果的に詐欺師にはめられた。

業者社長の証言の信憑性がどう判断されるのか。

 

事件については、2021年11月に名古屋高裁に再審請求。

藤井さんは2022年1月16日告示、23日に投開票がある美濃加茂市長選に出馬を表明。

本を読んで事件の全体像は把握できたので、今後の展開に注視していきたい。

 

昔、周防正行監督の映画「それでもボクはやってない」を観ました。

自分も何かのきっかけで冤罪で逮捕される可能性はあります。

社会の闇は深い。

『勝間式金持ちになる読書法』勝間和代

 

経済評論家・勝間和代さんの「勝間式金持ちになる読書法」を読みました。

読書を通じてお金持ちになりたい方、すでに読書を習慣にしている方にもおすすめの1冊。

読書の効用が分かりやすく書かれています。

 

本によると、日本の社会人の4割弱が月に1冊も本を読まないらしい。

自分が現在所属しているコミュニティーではおそらく9割以上が年間に1冊を読んでません。

本を読まない人とは段々会話が噛み合わなくなってきます。

 

自分は2007年ごろから毎日何かしらの本を読むのが習慣になってます。

テレビやゲームよりも活字の方が面白いことに気づけたのは運が良かったです。

今では本が唯一の友だち。

 

書籍とはさまざまな審査を経て、一定の条件を満たし、選ばれた著者が原稿を書き、編集者や校正者の目を経て出版されていますので、私たちの手に届く時点で、情報の良し悪しが取捨選択されているのです。

 

ブログなどのネットの情報と違って、本は出版されるまでに多くの方の目を通しています。

特に現代は出版不況なので出版社も必死。

どの本も読みやすく工夫されています。

たった1000円〜1500円で著者が人生をかけて得てきた知恵を分けてもらえます。

シンプルにお得なメディア。

 

読書をするには一定の語彙、読解力、集中力が必要。

忙しい社会人が頭を使う読書に興味がないのも分かります。

もったい。

 

たとえ、生まれながらにしてお金持ちになる方法を教えてくれる環境にはいない人であっても、成人した後で、読書を通じて学ぶことで、いくらでもそういう知識と経験を得ることができるのです。

 

自分はどちらかというと貧乏な家庭に生まれ育ちました。

いわゆる“親ガチャ”はハズレ。

学歴も三流私立大学。

読書をするようになってから10年ちょっと。

 

お金については、勝間さんの「お金は銀行に預けるな」や数々の金融関連の本を読んでインデックス投資を続けてきたので小金持ちにはなれました。

本を読むのと並行してブログを書くことも続けてきたので、文章を書くことも昔より上手になりました。

雑談のネタも豊富になり他の人とのコミュネーションもスムーズに。

 

普段は紙の本を読むことが多いです。

もっと読書の時間を増やしたいのですが、時間が限られています。

本の中で紹介されていたアマゾンのAudibleは使ってみたい。

移動中に耳で読書できれば。

 

自分は今後も読書はずっと続けていくと思います。

1人でも多くの方が読書の世界に入ってきて欲しい。

『その神経じゃ調子わるくもなりますよ』小林弘幸

 

順天堂大学医学部教授・小林弘幸さんの「その神経じゃ調子も悪くなりますよ」を読みました。

 

年末年始は6日間休みでした。

寝たいだけ寝て、美味しいものを食べ、心身はリフレッシュ。

ただ休み明けが近づいてくると、明日から仕事かあと憂鬱な気分になります。

日曜夕方の「サザエさん症候群」と一緒。

本の中に自律神経の観点から見たサザエさん症候群について記述があったので引用します。

 

金曜の18時から月曜の9時まで、63時間あります。この間に完全に「仕事スイッチ」をオフにしていると、副交感神経が高まりすぎて、完全に「脱・仕事モード」になります。前項で述べた通り、休日にリラックスしすぎてしまい、「サザエさん症候群」にかかるのは、「63時間ののんびりモード」に浸りきって完全に副交感神経が優位になった後、急激にバランスが逆転することによって、安定をくずしてしまった人です。

 

副交感神経が優位になり過ぎてバランスを崩す。

土日だけでも崩れるので、6日も休むともっと崩れます。

バランスが崩れないようにするためには、30分程度のウォーキングをする、休み明けの仕事のスケジュールを確認するなど交感神経を働かせてバランスを保つのが良いそうです。

 

年末年始もせっせとウォーキングをして、休み明けが近づいてきたらピカピカの手帳を開いて、仕事の予定を確認しておきました。

 

毎週サザエさん症候群の方におすすめ。

『京大おどろきのウイルス学講義』宮沢孝幸

 

京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授の宮沢孝幸さんの「京大おどろきのウイルス学講義」を読みました。

ウイルスとはそもそもどんな存在なのかを分かりやすく解説。

先日、読売テレビの「そこまで言って委員会」に宮沢さんが出演されていて気になってました。

 

2021年末の時点でも新型コロナウイルスの脅威は収まりません。

欧米ではオミクロン株により再び感染拡大。

2022年はどうなっていくのでしょう。

 

ウイルスは一つ一つは小さいけれども、重量換算すると人間より重いウイルス。

コロナウイルス自体は動物の世界ではメジャーなウイルスらしい。

本書から一部引用すると、

 

多くの種類のウイルスが自然界には存在していますが、ほとんどのウイルスは未同定です。研究予算が付くのは、氷山の上のほんの少しの病原性ウイルスのみです。しかし、新興ウイルス感染症は、氷山の下のほうからやってきます。この部分については予算がまったく付いてないんです。

 

オミクロン株は感染しても重症化しないようで、そのうち落ち着いてくるでしょう。

コロナを甘く見てはいけないけど、過剰に心配することもない。

 

飛行機も以前のように飛び出して、世界の人々が移動を再開するようになると、またいつか別の病原性ウイルスが変異して人間の脅威になることは十分考えられます。

ワクチンもいまだに国産のものは完成してません。

この数年のドタバタから学んで、日本はもっとウイルスの基礎研究に力を入れて欲しい。