林真理子さんの「小説8050」を読みました。
中学時代にイジメが原因で引きこもり7年経った息子。
その息子を社会復帰させようとする歯科医の父。
引きこもった子供は親が亡くなった後どうなるのか。
近年「8050問題」が話題になりました。
ネットで検索してみると、2021年に起きたイジメは51万件、不登校は19万件。
自分の想像を超える数の多さ。
数字に反映されないイジメはおそらくもっとあります。
グラフを見ると、2015年頃から右肩上がりで増えてます。
社会の闇のひとつ。
小説の中のイジメも卑劣。
主犯格の生徒は医者の息子で頭も良くて、イジメのことは単なる悪ふざけとしか思ってません。
のうのうと有名大学に進学し社会に出ようとしている。
自分の学生時代もイジメはありました。
主犯格はずる賢くて、なかなか発覚しませんでした。
当時は1クラスの生徒が40人くらいいたし、先生がイジメに気づくのは困難だったと思います。
当時の自分はイジメに対してどうしたか。
傍観者でいました。
情けないです。
学生時代はイジメられることはありませんでしたが、傍観者でいたバチが当ったのか、社会に出てからイジメられました。
職場も転々としたし、半分引きこもりのような時期もありました。
嫌な職場は辞めればいいのですが、学校は小学校は6年、中学校は3年間も同じコミュニティに閉じ込められます。
私立の学校だと問題児を退校できますが、公立だとできません。
悪魔のようなコミュニティを抜け出せないことが根本的な問題。
無理して学校に行って心がズタズタに傷つくくらいなら行かない方が良い。
今はネットで大抵のことが学べるし、ネットを通じた仕事も豊富です。
通信制の学校で高卒資格を取り、遠くの大学へ進学して人生をやり直すことも可能です。
「小説8050」に登場する父は、息子を無理やり社会復帰させようとして空回りしてました。
全体的には重いトーンの物語が続きます。
読後感は心地良かったです。
今まさに自分の子供が引きこもっている方は一度読まれてみては。