やまさんの読書ブログ

やまさんが読んでおもしろかった本を紹介

『感染症の世界史』石弘之

 

 石弘之さんの「感染症の世界史」読みました。

この記事を書いている時点で新型コロナウイルスの感染拡大が止まる気配がありません。

自分が住んでいる岐阜県でも過去最多を更新する388人。

再び緊急事態宣言。

ワクチン接種が進んでいるイスラエルでも再び感染拡大。

変異株の恐ろしさを感じています。

人間は次々と打つ手は、微生物からみれば生存が脅かされる重大な危機である。人が病気と必死に戦うように、彼らもまた薬剤に対する耐性を獲得し、強い毒性を持つ系統に入れ替わって戦っているのだ。まさに「軍拡競争」である。

微生物は、地上最強の地位に登り詰めた人類にとってほぼ唯一の天敵でもある。

(まえがきより引用)

まえがきは2017年12月に書かれています。

数年後に訪れる感染症の世界的な流行を予見されていました。

新型コロナウイルスも初期の頃は、若者にはほとんど感染しないと言われていましたが、高齢者へのワクチン接種が進むにつれて10代20代へターゲットを変えてきています。

人間でワクチンで対抗すると、ウイルスも生き残るために変異する。

軍拡競争そのもの。

 

本書を読んでいると、エボラ出血熱、デング熱、マラリア、コレラ、ペスト、ピロリ菌、エイズ、風疹、結核など人類が歴史上ずっと微生物に苦しめられてきたことが分かります。

現代は農地の拡大、森林伐採などの環境破壊によって、新たな感染症が発生しやすいことへの警告も。

 

新型コロナウイルスはいずれ鎮静化していくのでしょうが、しばらくしたらまた新たな感染症が流行してもおかしくないことが分かりました。

仮に流行しても、密集を避ける、手指を消毒するといった対策は有効。

動揺せずに対応していきたい。