「長良川のアユと河口堰」を読みました。
執筆者は岐阜大学の先生、長良川の漁師、小瀬鵜飼の鵜匠など。
自分は長年長良川流域に住んでいます。
1995年に運用を開始した長良川河口堰。
なんとなくテレビのニュースで建設反対運動が起きていた記憶がある程度。
当時は環境に対する関心は1ミリもありませんでした。
長良川河口堰は全長166kmある長良川の海に近い場所にあります。
治水、利水、海からの塩害防止が目的。
計画は1960年からありました。
2025年は長良川河口堰の運用開始から30年。
「世界農業遺産」である鮎の数は激減し小型化。
鮎は秋に産卵。
稚鮎は一旦海に下ります。
春になると長良川へ戻ってきて遡上するという生態。
河口堰には遡上用の魚道が設けられています。
本によると、稚鮎にとって遡上の時よりも海に下る時に大きな障壁になるという。
国は魚道を一般公開し鮎が問題なく遡上しているとアピールしている。
問題はそもそも海に下れていないことにある。
養殖した鮎を放流し一瞬鮎の量が増えたものの、再び降下。
鮎にとって住みにくい環境になってしまいました。
元々多様だった長良川の魚類。
シジミは絶滅しモズクガニなども激減。
利水については、開発用水の使用はわずか16%
工業用水の利用は0
計画当初から時代背景が変わり、建設を中止するチャンスはあったのに大金を注いで完成させてしまう。
動き出した計画を止めることができないのは他にもあるのでは。
現在も年間10億円程度の維持管理費がかかっています。
河口堰のゲートは可動式。
開門することができます。
長良川の生態系を回復させるには、ゲートを開門するしかありません。
国が主張する塩の被害がどれくらいあるのか一定期間開門して調査すべき。
2008年に完成した揖斐川町の徳山ダム。
総事業費は3350億円。
徳山村をダムに沈めて造った巨大ダム。
こちらも利水目的でしたが現在1滴も使われていない状況。
現在徳山ダムの水を木曽川に流すための木曽川導水路計画が進められています。
リニアの工事で見れば分かるように地下を掘れば地盤沈下など必ず問題が起きてきます。
巨額を注ぎ込み、環境を破壊してまで導水路を作る必要があるのか疑問。
政治家、国、それぞれの自治体という組織は上からの命令が絶対。
上がやると言い出したことは黙って従うしかありません。
長良川河口堰を撤去するのは大変。
まずは開門調査を。
木曽川導水路計画は中止にすべき。
長良川流域に住む方は全員読んでもらいたい。
長良川に限らず各地の環境問題に関心がある方におすすめ。
どの公共事業にも通じる問題提起がされています。
