本多勝一さんの「アムンセンとスコット」を読みました。
1910年(明治43年)に人類未到の南極点を目指した2つの探検隊がありました。
ノルウェーの探検家アムンセンとイギリスの軍人スコット。
アムンセンは大きなダメージもなく最初に南極点に到達。
スコットは遅れて南極点に到達するも帰還の際に全員遭難死。
中学校の時の英語の教科書の題材になっていたので2人のおおまかな話は知ってました。
本では準備から帰還まで2つの隊を並記しながら紹介。
実際に南極を探検しているような気分で読めました。
イギリス、ノルウェーも南極大陸にたどり着くまでがまず長旅。
大陸に到着後もすぐに探検を始めるわけではなりません。
−30℃より下がると動くことが困難になります。
気象条件の良くなる季節まで基地で過ごします。
その基地の選定から2つの隊は違います。
アムンセンはアザラシなどの食料を確保しやすい場所を確保。
氷の上なので割れる可能性はあるもののどれくらい可能性があるのか科学的に分析。
映画「南極大陸」を見ると犬ゾリ。
多くの犬を連れているシーンは覚えています。
アムンセンは犬ゾリ。
スコットは馬をメインにして犬は補助。
今だと南極で馬?と思うのですが、馬は犬よりも“馬力”があるので当時の選択肢の一つではあった。
結果的に大きな誤算を生むことになってしまう。
アムンセンの食料に対する計画がとても緻密でした。
読んだらひく人も出てくるかもしれませんが、連れて行った犬たちを決めたポイントごとで計画的に殺して食事用の肉として確保しています。
スコットも同じですが、計画が狂って全ての犬と馬を失うことになり人間がソリを引かなきゃいけなくなりました。
スコットは随所に南極に対する甘さがある。
探検家と軍人の違いが出てました。
アムンセンの用意周到ぶりが南極到達へ導きました。
そんなアムンセンですが、その後平穏な人生だったかというとそうではない。
その後に飛行機による北極海横断も成し遂げ、来日し講演も行っています。
最後は北極で遭難したイタリア探検隊の救助に向かい二重遭難で亡くなります。
探検家らしい最後ではありました。
自分は探検趣味はありませんが登山は好きです。
長時間山の中を歩き続けることもあります。
天候、食事、休憩、装備などアムンセンから学ぶことも多い。
