橘玲さんの「言ってはいけない 残酷すぎる真実」を読みました。
ざっくり言うと環境と遺伝に関する本。
本に書かれていることは全てエビデンスがあるという。
読んでると薄々気づいていたことが書かれていて、読む人によってはショックを受けるかも。
先日まで開催されていた世界陸上。
男子100メートルの決勝に進むのは黒人選手ばかり。
日本人でも短距離種目で活躍するのはハーフの選手が増えてきました。
黒人選手の身体的能力の高さについて言及するは問題ないでしょう。
知能について触れるのはもちろんタブー。
自分は身長が高いです。
兄弟も高い。
両親も同世代の中では高い。
背の高い親から背の高い子供が生まれることはよくあること。
親から子へ顔や身体的特徴が遺伝することは認めても、頭の良さの遺伝について触れるのもタブー。
本の中で一卵性で出産直後に里子に出された双子の例が紹介されてました。
それぞれ違う育ての親で、育った環境もまったく違う。
何十年も経ってから双子が再会すると、驚くほど見た目、行動特質、境遇が似ていたという。
子育ての意味について考えさせられました。
そもそも勉強の適性のない子はいます。
学校の先生が熱心に指導し、親が塾に通わせてもできない子はできない。
グレて不良になったり、不登校になる子も出てくるでしょう。
学校は“努力すれば誰でも勉強ができるようになる”という神話に基づいて設計されています。
勉強ができないのは努力不足で本人が悪いと。
第二次世界大戦の時に、ドイツが遺伝について間違った解釈をしホロコーストを起こしました。
そんな悲劇があったので、戦後は遺伝について語ることがタブーになってしまいました。
学校の勉強の適性はない子でも、例えばプラモデルを組み立て始めると時間を忘れる、歌やダンスが得意、クラスのみんなを笑わせるのが好きなどの適性は誰にでもあるはず。
大人が就職して働き出す時も同じ。
向いてない仕事は努力しても向いてません。
無理してもうつになるだけ。
今起きている世の中の問題は、遺伝子から目を背けては解決できないことが多い。
残酷すぎる真実を知った上でどう生きるか考えるのも悪くない。
