早見和真さんの「アルプス席の母」を読みました。
2025年の本屋大賞第2位。
今まさに全国では甲子園の予選大会の真っ最中。
高校野球観戦のお供にぴったりな小説。
物語は高校球児の母の視点で描かれてます。
野球を舞台にした物語は多数存在しますが、母が主人公なのは初めて。
お母さんに感情移入しながら読みました。
もし自分の子供が野球が好きで、体格が良く、他の子よりも秀でているなら全力で応援したくなります。
プロ野球選手になる妄想をするかもしれません。
まずは甲子園に出場させたい。
甲子園に出場できる可能性の高い高校がどこか真剣に悩むことでしょう。
名門校の監督は全国から優秀な選手を集めたい。
有望な選手は中学生の頃から注目されます。
各地の強豪校から入学のお誘いがあるようです。
特待生で寮費も学校負担などVIP待遇で。
自分が住む地域も、近年は私立高校の方が強いです。
新聞に掲載されている出身中学を見ると、強豪私立高校に地元選手はほとんどいません。
大阪出身の選手が多いのが気になりました。
大阪はレベルが高く激戦区。
強豪校に入学できるか分からないし、入学できたとしてもライバルが多過ぎてベンチ入りできるかも分かりません。
自分の実力を冷静に見極め、甲子園に出場できる可能性が高い地域の高校を選んでいるのかも。
私立高校がそれだけ選手を強化しても必ずしも甲子園に行けるわけではないのが野球の難しさ。
物語の主人公は、大阪の新興私立高校に入学します。
全国屈指の強豪校に勝たなければ甲子園に出場できない。
私立高校は公立高校よりも学費が高い。
寮費、道具代、遠征費などすごくお金がかかります。
名門校だと学年ごとに親の序列もあるようです。
選手と同様に親も戦っている。
記録に残らない監督への謝礼も本当にあるのかも。
描写がすごくリアル。
著者の早見和馬さんは元高校球児。
小学生の頃は注目される選手だったそうです。
本の推薦文の中に元読売巨人軍の選手、監督だった高橋由伸さんのコメントが掲載されてました。
高橋由伸さんは神奈川・桐蔭学園の2年先輩。
高橋由伸さんが桐蔭学園に入学してきた時、早見さんは中学2年生。
初めて練習を見た時、そのレベルの高さに衝撃を受け挫折したそうです。
後にジャイアンツでクリーンアップで打つ選手なので、高校時代から相当な選手だったことでしょう。
自分も別の種目で大きな挫折を味わったことがあります。
自分は絶対にプロになるの無理だと。
自分が見た選手は実際にその種目でプロになりました。
物語の中で、主人公が所属する高校の野球部監督が出場機会に恵まれない息子を心配する母に次の言葉をかけました。
「自分だけが限界を定めてしまうというのはよくある話です」
高校野球が好きな方、野球部員の母にぜひ読んでもらいたい。
特に同じような境遇のお母さんの涙腺が崩壊することでしょう。
