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『就職氷河期世代』近藤絢子

 

近藤絢子さんの「就職氷河期世代」を読みました。

本書では、バブル世代(87-92年卒)氷河期前期世代(93ー98年卒)氷河期後期世代(99-04年卒)ポスト氷河期世代(05-09年卒)リーマン震災世代(10-13年卒)で分類。

それぞれの世代の就職状況、収入の変化の統計が丁寧に解説されています。

 

この分類でいくと、自分は氷河期後期世代。

初職が正規雇用だった割合は、バブル世代の大卒が94.1%に対して、氷河期後期世代は78.1%。

初職が従業員300人以上の大企業だった割合は、バブル世代の大卒が60.6%に対して、氷河期後期世代は40.6%。

氷河期っぷりは統計の上ではっきり示されています。

 

自分も初職は非正規雇用でした。

地元の企業展、就職説明会に参加し、地元の中小企業を中心に応募しましたが全滅。

採用若干名と書かれているとこに100人くらい応募があるのでそりゃ落ちます。

当時、織田裕二さん主演映画「就職戦線異状なし」を見て、自分ももうちょっと早く生まれていれば最初の就職では苦労しなかったのにと思いました。

 

最初が非正規だと途中から正規雇用に移るのが難しく給与水準も低いまま。

退職金もなく年金の受給金額も老齢基礎年金だけだと月7万円弱。

非正規で親と同居して今は暮らせていても介護が必要になったり亡くなったら途端に生活が立ち行かなくなります。

あと10年20年もすると氷河期世代が年金を受給する年代になってきます。

大きな社会問題になっていくのでは。

国の財政は更に圧迫されるだろうし、不満のマグマが溜まって犯罪行為に走る人も現れるのでは。

 

就職氷河期世代は“貧乏くじ世代”とも言われます。

子供の数が多く難関学校への入学競争も熾烈。

最初の就職でハシゴを外され給料も上がらないまま結婚もせずに年を取り、最後はひっそり亡くなっていく。

悲しき氷河期世代。

 

本書では国によるセーフティネットの拡充を求めてますが、根本的な解決は期待できません。

将来に対する備えは、つみたてNISAなどを活用して少額ずつでも運用していく。

働ける期間をできるだけ長くするために健康に気を使うぐらいかな。